コラム

栄養

発達障害と栄養欠損

注意欠如・多動症(ADHD:Attention-deficit/hyperactivity disorder)とは、不注意(集中力がない)、多動性(落ち着きがない、待つことができないなど)・衝動性(突発的な行動をする)の2つの特性を中心とした発達障害です。以前からこれらの要因として様々な栄養欠損が指摘されています。 まず、ADHDの症状をきたす63%に遅延型フードアレルギーの関与があり、これらの食材の除去が効果的であったとの報告が有名機関紙に報告されています。 (参考文献)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21296237/ …

頭痛の予防

頭痛は日頃から気をつけることで予防できることも多くあります。以下に有効な対策をお伝えします。実践してみてください。 ● 生活のリズムを整える 出来るだけ毎朝決まった時間に起きること。週末なども毎日同じ時間に起床してリズムを整えることが大切です。寝不足はもちろん、週末にありがちな寝過ぎも乱れる要因となります。睡眠リズムを習慣づけるよう心がけてください。 ● コンピュータやスマートフォンの使いすぎに注意 これらの使用は前傾姿勢やブルーライトをはじめ眼を使うことでの首のこりを悪化させることになります。長時間の使用は避け、適宜休息をとるようにしましょう。 …

起立性調節障害と頭痛

起立性調節障害は自律神経の調整の不具合により、朝になかなか起きることが出来ない、全身だるさ、頭痛、立ちくらみ、立っていると気分が悪くなるなどの症状をきたすものです。頭痛が強く朝起きられず学校へも行けない・・・というお子さんも時折います。近年では起立性調節障害と診断されること多くなっています。 自律神経の調節が上手くいかないと緊張と緩和の調整が不安定となり頭痛が起こりやすくなります。 (特徴) 症状としては下記のような特徴があります。 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い午後から少しずつ回復してくる立ちくらみやめまいを起こしやすい疲れると訴えるこ…

フードアレルギーと片頭痛

増加傾向にあるアレルギー疾患 近年、花粉症や蕁麻疹などのアレルギー疾患は増加傾向にあります。 これらはアレルゲンと呼ばれる反応物質が体内に入ることで、極短時間で反応を示すいわゆるIgE即時型アレルギーです。 そのアレルゲンとしてスギ、ヒノキの花粉やハウスダト、猫や犬などの動物に対するものなどが比較的多くみられます。 また食物の中でも蕎麦やピーナッツなどは以前から言われているようにアレルゲンとなる可能性が高いものです。 最近では通常問題ないと思われているトマトやキュウリなどの野菜でも即時型アレルギー反応がみられる人が増えてきています。 アナフィラキシーショッ…

片頭痛の予防としての食事療法

食事療法の臨床研究 東海大学病院の下田先生が片頭痛の予防として132名の片頭痛の患者さんに糖質調整(制限や食べる順番)の食事療法を行った臨床研究を発表されています。 半年間以上、食事療法が継続できた29名で28名が片頭痛の発作回数が減少し同時にほぼ全例で体重とBMIの低下がみられていました。 肥満においては最近話題となっている脳過敏要因となる炎症生物質であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が増加していると言われており、肥満の改善によりCGRPが減少した可能性も考えられます。 また、糖質摂取の調整をすることにより血糖の乱高下、低血糖が緩和されることにより過度な…

マグネシウム不足と片頭痛

マグネシウムの片頭痛に対する効果として、発作時の症状の改善が報告されています。 マグネシウムの役割 マグネシウムは300種もの酵素反応に関係しており様々な身体の機能維持に関係しています。 タンパク質の合成 エネルギーの維持 心機能の維持 血圧の調整 神経伝達 筋肉の収縮 など マグネシウムは摂取量に関係なく吸収率や尿中排泄量が変動します。 精製された白米やパンやアルコールの摂取が多い、またストレスによってもカルシウム、マグネシウムが尿中に排泄されてしまうのです。 そのため知らず知らずのうちにマグネシウムは不足しています。 マグ…

むずむず脚症候群と鉄不足

むずむず脚症候群とは? むずむず脚症候群は、脚がむずむずしたり、じっとしていられないような落ち着かない感じなど不快な感覚をきたす病態です。 レストレスレッグス症候群(Restless legs syndrome)とも呼ばれます。 症状は夜寝ている時や安静にしている時に起き易く体を動かすと症状が軽快する特徴があります。 このために眠れないなど不眠の原因になることもあります。 鉄不足との関連 実はこのむずむず脚症候群には脳内の鉄不足との関連が指摘されています。 運動や感覚のしくみを調整するドパミンというホルモンは日中に産生量が増加し、一方で夜間に少なくな…

鉄欠乏と痛み

鉄はからだの皮膚、爪、筋膜、腱、血管などあらゆるところに存在するコラーゲン生成に欠かせないものです。 鉄欠乏ではそのコラーゲン生成に不具合を生じます。そのため様々な組織の修復が遅れます。 以下のような症状はないですか? アザができやすい爪が割れる髪の毛が抜けやすい これらは鉄不足の症状です。 また、肩こり・首こりや他の原因の不明の痛みなども鉄不足による可能性があります。 鉄欠乏について 鉄欠乏と自律神経 …

鉄欠乏と自律神経

酸素不足 鉄欠乏による貧血では慢性的にさまざまな組織へ酸素の供給が不足している状態となっています。 特に筋肉で酸素不足が起こると、糖を代謝して得られるはずの十分なエネルギーを生成することができず、エネルギー不足となります。 これが首の筋肉の疲労、過剰な緊張をもたらします。 交感神経の刺激 次いで、その酸素不足を補うために交感神経の刺激により心拍数が増加、相対的に血液の循環量を増やすことで酸素の供給を維持しようとします。 鉄欠乏があると、血中や尿中にアドレナリンやノルアドレナリンが増加することがわかっていますが、これは交感神経が優位となっている状態であること…

低血糖症と不眠、不安感、物忘れ

低血糖と不眠の関係性 不眠で悩んでいる人は多く、睡眠導入剤を服用している人も多いと思います。 入眠できない、中途覚醒があるなどの要因として低血糖が関与しているがあります。 低血糖では血糖維持のため自律神経の緊張をきたしている状態です。 食後3~5時間はほとんどの人が就寝する時間帯ではないでしょうか? 食後の血糖は4、5時間後に低血糖をきたす傾向にあります。そのため自律神経の緊張が助長され入眠できない状態となります。 この食事の影響による不眠が非常に多くみられると実感しています。 日頃食べている食事について見直すことが不眠改善、睡眠導入剤の減薬にも…