起立性調節障害と頭痛
起立性調節障害は自律神経の調整の不具合により、朝になかなか起きることが出来ない、全身だるさ、頭痛、立ちくらみ、立っていると気分が悪くなるなどの症状をきたすものです。頭痛が強く朝起きられず学校へも行けない・・・というお子さんも時折います。近年では起立性調節障害と診断されること多くなっています。
自律神経の調節が上手くいかないと緊張と緩和の調整が不安定となり頭痛が起こりやすくなります。
(特徴)
症状としては下記のような特徴があります。
- 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
- 午後から少しずつ回復してくる
- 立ちくらみやめまいを起こしやすい
- 疲れると訴えることが多い
- 少し動くと動悸あるいは息切れがする
- 食欲がない、食べるものは甘いものや好きなもの
に偏る - 頭痛や腹痛を訴えることが多い
- 乗り物に酔いやすい
(分類)
起立性調節障害は下記のようなグループに分けられるとされています。
- 起立直後性低血圧(instantaneous orthostatic hypotension: INOH)
立ち上がった直後に強い血圧低下および血圧回復の遅れが見られる。 - 体位性頻脈症候群(postural tachycardia syndrome: POTS)
立っているときに血圧低下を伴わず、著しい心拍数の増加を認める。 - 血管迷走神経性失神(vasovagal syncope: VVS)
立っているときに突然に血圧が低下し、ふらつきなど失調症状が出現し、意識低下などが起こる。 - 遷延性起立性低血圧(delayed orthostatic hypotension: delayed OH)
立った直後の血圧心拍は正常ですが、3〜10分を経過して収縮期血圧が臥位時の15%以上、または20mmHg以上低下する。
(原因)
遺伝的体質やストレスも大きく影響を受けるとも言われます。ストレスの中には心理的な要素も当然みられますが、注意しなければならないのが食事の影響です。食事と自律神経の関係には血糖が大きく関わっています。食事を抜いてしまったり、甘いものの摂取が多かったりすることで血糖の変動及び低血糖を引き起こします。これらが気付かないストレス(生物学的ストレス)になっていることが多いのです。
(治療)
薬物療法も行われていますが、先ずは予防的対応となります。これには運動療法や食事療法などをすすめることになりますが、食事は根本的に非常に大切なものとなります。起床時間も少しずつ早めて出来るだけ朝食を摂る、運動は散歩から始める、などリズムをつくることが重要です。
血糖の安定はエネルギーの安定であり自律神経を安定させるために重要な要素です。
詳細についてはクリニックにご相談ください。