頭痛
片頭痛と首こり・肩こり
この程、片頭痛と首こり・肩こりの関係について重要なデータが発表されました。日本を含むカナダ、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカの51000人以上の片頭痛患者さんの病態の大規模なデータ解析において、首こり・肩こりは片頭痛を持つ人では共通の病態であり、頭痛が起こっている時に首こり・肩こりを自覚する人は頭痛症状の悪化・不安感や鬱症状の出現・生活上の支障をきたしやすいという結果が発表されました。
これは以前より当院で掲げている頭痛治療のターゲットとして『首こり』の重要性及び対策の考えを後押しするものです。
今後も引き続き片頭痛の改善のため『首こり』の緩和を重視した治療、アドバイスを行っ…
歯ぎしり・食いしばりと頭痛
無意識に歯を食いしばってしまう、朝起きたら顎が痛いなど、歯ぎしり・食いしばりのみられる方が多くいらっしゃいます。
歯ぎしりや食いしばりは成人の頭痛との関連が指摘され(a)、 特に夜間に起こるものは朝方の頭痛との関連が報告されています(b)。3歳から6歳の小さなお子さんでも夜間の歯ぎしりは3.25倍の頭痛のリスクになると報告されています(c)。
頭痛などがなくても歯ぎしり・食いしばりは歯の損傷やグラつき、知覚過敏、顎関節症の併発にもつながります。
これらの歯ぎしり・食いしばりの主な原因はストレスであると言われています。しかし、夜間就寝中にストレスは感じていない…
フードアレルギーと片頭痛
増加傾向にあるアレルギー疾患
近年、花粉症や蕁麻疹などのアレルギー疾患は増加傾向にあります。
これらはアレルゲンと呼ばれる反応物質が体内に入ることで、極短時間で反応を示すいわゆるIgE即時型アレルギーです。
そのアレルゲンとしてスギ、ヒノキの花粉やハウスダト、猫や犬などの動物に対するものなどが比較的多くみられます。
また食物の中でも蕎麦やピーナッツなどは以前から言われているようにアレルゲンとなる可能性が高いものです。
最近では通常問題ないと思われているトマトやキュウリなどの野菜でも即時型アレルギー反応がみられる人が増えてきています。
アナフィラキシーショッ…
片頭痛の予防としての食事療法
食事療法の臨床研究
東海大学病院の下田先生が片頭痛の予防として132名の片頭痛の患者さんに糖質調整(制限や食べる順番)の食事療法を行った臨床研究を発表されています。
半年間以上、食事療法が継続できた29名で28名が片頭痛の発作回数が減少し同時にほぼ全例で体重とBMIの低下がみられていました。
肥満においては最近話題となっている脳過敏要因となる炎症生物質であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が増加していると言われており、肥満の改善によりCGRPが減少した可能性も考えられます。
また、糖質摂取の調整をすることにより血糖の乱高下、低血糖が緩和されることにより過度な…
頭痛とうつ
女性の妊娠とうつ
女性は妊娠によってもさらに鉄を失うことになります。
胎児の成長には鉄が非常に重要です。
特に妊娠中期から後期にかけては胎児が急激に大きくなりますが、この時期は赤ちゃんの鉄の需要が増えるためお母さんは沢山の鉄を供給するため自身の鉄を失うことになります。
さらに出産時には出血の量が多くなるため産後はさらに鉄欠乏が進行することになります。
産後うつ
産後のうつ・・・よく聞く言葉ですが、実はこの鉄欠乏が関わっている可能性が高いのです。
うつで問題とされるのは脳内の神経伝達物質であるセロトニン減少と言われます。
セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からつくられま…
頭痛が女性に多い理由
頭痛は女性に多い傾向があります。それには幾つかの理由が考えられます。
① 首の筋肉が薄いこと
脳を含めた頭の重さは約5kgであり、これは男性も女性も変わりません。
しかし、この頭を支える首の筋肉は女性は男性に比べて薄いと言われています。
事実、診察においても女性は首の細さは明らかです。
このため頭を支える首の負担は女性の方が大きくなります。
特に前傾姿勢では首の後ろの筋肉の負担は大きくなります。
② 鉄欠乏:月経による慢性的な鉄の喪失
鉄欠乏性貧血は自律神経の緊張をきたすことや筋膜・腱など支持組織の修復不良により首こりをきたす可能性が高くなります。
また、月経または月経周期に…
マグネシウム不足と片頭痛
マグネシウムの片頭痛に対する効果として、発作時の症状の改善が報告されています。
マグネシウムの役割
マグネシウムは300種もの酵素反応に関係しており様々な身体の機能維持に関係しています。
タンパク質の合成
エネルギーの維持
心機能の維持
血圧の調整
神経伝達
筋肉の収縮 など
マグネシウムは摂取量に関係なく吸収率や尿中排泄量が変動します。
精製された白米やパンやアルコールの摂取が多い、またストレスによってもカルシウム、マグネシウムが尿中に排泄されてしまうのです。
そのため知らず知らずのうちにマグネシウムは不足しています。
マグ…
鉄欠乏と痛み
鉄はからだの皮膚、爪、筋膜、腱、血管などあらゆるところに存在するコラーゲン生成に欠かせないものです。
鉄欠乏ではそのコラーゲン生成に不具合を生じます。そのため様々な組織の修復が遅れます。
以下のような症状はないですか?
アザができやすい爪が割れる髪の毛が抜けやすい
これらは鉄不足の症状です。
また、肩こり・首こりや他の原因の不明の痛みなども鉄不足による可能性があります。
鉄欠乏について
鉄欠乏と自律神経
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鉄欠乏と自律神経
酸素不足
鉄欠乏による貧血では慢性的にさまざまな組織へ酸素の供給が不足している状態となっています。
特に筋肉で酸素不足が起こると、糖を代謝して得られるはずの十分なエネルギーを生成することができず、エネルギー不足となります。
これが首の筋肉の疲労、過剰な緊張をもたらします。
交感神経の刺激
次いで、その酸素不足を補うために交感神経の刺激により心拍数が増加、相対的に血液の循環量を増やすことで酸素の供給を維持しようとします。
鉄欠乏があると、血中や尿中にアドレナリンやノルアドレナリンが増加することがわかっていますが、これは交感神経が優位となっている状態であること…
鉄欠乏について
首こりの大きな要因はもう一つあります。それが鉄欠乏です。
鉄不足による鉄欠乏性貧血は全てのタイプの貧血のうち約60~70%を占める最も多くみられる貧血です。
特に日本人女性の17~49歳の女性のうち潜在性鉄欠乏症を含めると6割以上が鉄欠乏性貧血であると言われています。
参考文献
Current status of occult iron deficiency in Japan and improvement by intake if heme iron: An analysis based on serum ferritin levels, 1984-2004. J …