子供の頭痛
子どもの頭痛は年々増えています。
日本での子どもの頭痛の統計では、中学生の片頭痛の有病率は男児で3・3%、女児で6・5%となっています。
高校生の片頭痛は男児13・7%、女児17・5%。緊張型頭痛は男児23%、女児30・6%と緊張型頭痛の割合が増え、全体として女児の有病率が高くなっています。
小学生以下のデータはありませんが、片頭痛に関しては大人同様に典型的な片側の頭痛というよりは両側性が多いといわれています。
頭痛を頻繁に訴える子どもさんは、やはり首こり(板状筋に緊張)があることがほとんどです。これを裏付けるような研究結果が出ています。
小学生から中学生の頭痛では、高い率で首の痛みや圧痛が見られます。特に片頭痛ではその傾向が強いようです。これに関しても近年片頭痛、緊張型頭痛の双方において首や肩の痛みを訴えることが多いと報告があります。
Cephalagia 2016 Jul;36(8):807-811.
Cepalagia 2012 Feb;32(3):241-249.
その原因は何でしょうか?
後頚部の筋緊張(特に板状筋の緊張)は、昔に比べて大人と同様にパソコン、ゲーム、携帯・スマーとフォンなどを使用する機会が増えたことが、大きな要因であると思います。
これは外因的要素として姿勢に関係しているものです。小学生などは重いランドセルも姿勢に影響します。
また、これらの使用は眼を酷使することになります。大人と同様に眼調節の負担が脳を介して後頚部の筋緊張をきたすことになります。
対策としては、パソコン、スマートフォン、ゲームなどの使用時間を減らす。これらは姿勢の負担を減らすだけではなく、ブルーライトの影響、眼調節負荷の軽減になります。また、ランドセル、バックパックは軽量化を図ることにより姿勢への影響を減らします。また、日頃から寝る前に眼部の保温、夜間の首の後ろを温め続けること、これが頭痛の予防にもなります。