子供の頭痛と鉄欠乏
頭痛のお子さんの問診や血液検査などをおこなってみると、鉄欠がみられることが多いのに気づきます。子どもの成長には、鉄は大変重要です。(骨や筋肉、皮膚、血管などの生成にはコラーゲンが重要であり、その生成に鉄が必要不可欠です)
生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんから十分な鉄をもらって生まれてきますが、急速な成長に伴い、生後6カ~2歳くらいまでのあいだに、もらってきた鉄を使い果たしてしまいます。そのため、さらに十分な鉄の補充が必要なのです。
しかし、頭痛を訴える子どもの血液検査をしてみると、鉄欠乏性貧血であることがほとんどです。つまり、成長のために鉄が使われるのに追いつかず、頭痛が起きていると考えられます。
子どもの鉄欠乏を調べた研究では、98人の5~15歳の小児において、頭痛の月の回数、程度、障害スコアを調べたところ、鉄欠乏の子どもでより高くなっており、鉄の補充療法でそれぞれのパラメータで改善が見られたというデータもあります。
Evaluation Efficacy of Ferrous Sulfate Therapy on Headaches of. 5-15 Years Old Iron Deficient Children with Migraine. Iran J Ped Hemtol Oncol. 2016;6(1) 32-37