コラム

歯ぎしり・食いしばりと頭痛

無意識に歯を食いしばってしまう、朝起きたら顎が痛いなど、歯ぎしり・食いしばりのみられる方が多くいらっしゃいます。

歯ぎしりや食いしばりは成人の頭痛との関連が指摘され(a)、 特に夜間に起こるものは朝方の頭痛との関連が報告されています(b)。3歳から6歳の小さなお子さんでも夜間の歯ぎしりは3.25倍の頭痛のリスクになると報告されています(c)。

頭痛などがなくても歯ぎしり・食いしばりは歯の損傷やグラつき、知覚過敏、顎関節症の併発にもつながります。

これらの歯ぎしり・食いしばりの主な原因はストレスであると言われています。しかし、夜間就寝中にストレスは感じていないはずなのに・・・と思う方は多いのではないでしょうか?ストレスは心理的なものだけではありません。下のように4つに分けることができます。

  • 心理的ストレス:緊張、不安を感じる、睡眠不足など
  • 物理的ストレス:気圧変化、温度差、湿度変化など
  • 化学的ストレス:薬物、大気汚染物質など
  • 生物的ストレス:血糖変動(低血糖、乱高下)鉄の不足

これらは全てストレス反応として体の中では同様の反応が起こります。この中で、夜間には生物的ストレスである血糖変動(低血糖・エネルギー不足)によりストレスホルモンが分泌されることで自律神経の緊張が高まっている可能性が高いのです。

食いしばりのある方は、食事内容を確認した上で血糖変動の詳細な評価が必要な可能性があります。当院では血糖変動のような内因的なストレスと頭痛の関連を重視して治療をしております。ご気軽にご相談ください。


(参考文献)

(a) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34129658/

(b) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32323305/

(c) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29200617/