コラム

コラム記事一覧

頭痛とうつ

女性の妊娠とうつ 女性は妊娠によってもさらに鉄を失うことになります。 胎児の成長には鉄が非常に重要です。 特に妊娠中期から後期にかけては胎児が急激に大きくなりますが、この時期は赤ちゃんの鉄の需要が増えるためお母さんは沢山の鉄を供給するため自身の鉄を失うことになります。 さらに出産時には出血の量が多くなるため産後はさらに鉄欠乏が進行することになります。 産後うつ 産後のうつ・・・よく聞く言葉ですが、実はこの鉄欠乏が関わっている可能性が高いのです。 うつで問題とされるのは脳内の神経伝達物質であるセロトニン減少と言われます。 セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からつくられま…

頭痛が女性に多い理由

頭痛は女性に多い傾向があります。それには幾つかの理由が考えられます。 ① 首の筋肉が薄いこと 脳を含めた頭の重さは約5kgであり、これは男性も女性も変わりません。 しかし、この頭を支える首の筋肉は女性は男性に比べて薄いと言われています。 事実、診察においても女性は首の細さは明らかです。 このため頭を支える首の負担は女性の方が大きくなります。 特に前傾姿勢では首の後ろの筋肉の負担は大きくなります。 ② 鉄欠乏:月経による慢性的な鉄の喪失 鉄欠乏性貧血は自律神経の緊張をきたすことや筋膜・腱など支持組織の修復不良により首こりをきたす可能性が高くなります。 また、月経または月経周期に…

マグネシウム不足と片頭痛

マグネシウムの片頭痛に対する効果として、発作時の症状の改善が報告されています。 マグネシウムの役割 マグネシウムは300種もの酵素反応に関係しており様々な身体の機能維持に関係しています。 タンパク質の合成 エネルギーの維持 心機能の維持 血圧の調整 神経伝達 筋肉の収縮 など マグネシウムは摂取量に関係なく吸収率や尿中排泄量が変動します。 精製された白米やパンやアルコールの摂取が多い、またストレスによってもカルシウム、マグネシウムが尿中に排泄されてしまうのです。 そのため知らず知らずのうちにマグネシウムは不足しています。 マグ…

むずむず脚症候群と鉄不足

むずむず脚症候群とは? むずむず脚症候群は、脚がむずむずしたり、じっとしていられないような落ち着かない感じなど不快な感覚をきたす病態です。 レストレスレッグス症候群(Restless legs syndrome)とも呼ばれます。 症状は夜寝ている時や安静にしている時に起き易く体を動かすと症状が軽快する特徴があります。 このために眠れないなど不眠の原因になることもあります。 鉄不足との関連 実はこのむずむず脚症候群には脳内の鉄不足との関連が指摘されています。 運動や感覚のしくみを調整するドパミンというホルモンは日中に産生量が増加し、一方で夜間に少なくな…

鉄欠乏と痛み

鉄はからだの皮膚、爪、筋膜、腱、血管などあらゆるところに存在するコラーゲン生成に欠かせないものです。 鉄欠乏ではそのコラーゲン生成に不具合を生じます。そのため様々な組織の修復が遅れます。 以下のような症状はないですか? アザができやすい爪が割れる髪の毛が抜けやすい これらは鉄不足の症状です。 また、肩こり・首こりや他の原因の不明の痛みなども鉄不足による可能性があります。 鉄欠乏について 鉄欠乏と自律神経 …

鉄欠乏と自律神経

酸素不足 鉄欠乏による貧血では慢性的にさまざまな組織へ酸素の供給が不足している状態となっています。 特に筋肉で酸素不足が起こると、糖を代謝して得られるはずの十分なエネルギーを生成することができず、エネルギー不足となります。 これが首の筋肉の疲労、過剰な緊張をもたらします。 交感神経の刺激 次いで、その酸素不足を補うために交感神経の刺激により心拍数が増加、相対的に血液の循環量を増やすことで酸素の供給を維持しようとします。 鉄欠乏があると、血中や尿中にアドレナリンやノルアドレナリンが増加することがわかっていますが、これは交感神経が優位となっている状態であること…

鉄欠乏について

首こりの大きな要因はもう一つあります。それが鉄欠乏です。 鉄不足による鉄欠乏性貧血は全てのタイプの貧血のうち約60~70%を占める最も多くみられる貧血です。 特に日本人女性の17~49歳の女性のうち潜在性鉄欠乏症を含めると6割以上が鉄欠乏性貧血であると言われています。 参考文献 Current status of occult iron deficiency in Japan and improvement by intake if heme iron: An analysis based on serum ferritin levels, 1984-2004. J …

低血糖症と不眠、不安感、物忘れ

低血糖と不眠の関係性 不眠で悩んでいる人は多く、睡眠導入剤を服用している人も多いと思います。 入眠できない、中途覚醒があるなどの要因として低血糖が関与しているがあります。 低血糖では血糖維持のため自律神経の緊張をきたしている状態です。 食後3~5時間はほとんどの人が就寝する時間帯ではないでしょうか? 食後の血糖は4、5時間後に低血糖をきたす傾向にあります。そのため自律神経の緊張が助長され入眠できない状態となります。 この食事の影響による不眠が非常に多くみられると実感しています。 日頃食べている食事について見直すことが不眠改善、睡眠導入剤の減薬にも…

低血糖症とだるさ/眠気

低血糖症とだるさの関係 糖(グルコース)は私たちの活動のみなもと、第一のエネルギー源です。 私たちの体調の維持の基本はこのエネルギーがしっかりと維持できていることです。 血糖値は食後1時間ほどでピークに達し、3時間以降は空腹時のレベルに戻るのが理想とされています。 しかし、人によっては食後に高くなり過ぎて、その反動で低血糖をきたしたり、食後すぐから不安定になったりなど私たちの食後の血糖値は理想的に安定していることが少ないのです。 これがだるさの要因である可能性があります。 食事の内容と時間を見直してみましょう なかなかだるさがとれ…

低血糖症と頭痛、首こり

慢性頭痛の方の要因として首こりをあげています。首こりに関わる大きな要因として低血糖症がみられます。 低血糖は食後に伴い繰り返し起こっている可能性があるのです。 糖尿病の検査では空腹の状態で75gのブドウ糖を服用して糖負荷試験は2時間の検査で評価されますが、5時間まで延ばすことでその後の血糖値の変動がとらえられます。 実はこの3時間以降が非常に重要です。 典型的な例を挙げます。 反応型低血糖症(みぞぐちクリニックにて実施) 反応型の低血糖症では4、5時間後に血糖の低下に伴って頭痛がみられます。 乱高下型低血糖症(…